嘉悦儀三郎(かえつぎさぶろう)の干拓地を歩いてみた【3】

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2012年6月13日。前回『嘉悦儀三郎(かえつぎさぶろう)の干拓地を歩いてみた【2】』の続きです。干拓地の堤防は残り半分です。堤防を隔てて右側は有明海、左は干拓地です。堤防の上をずっと道が続いています。前の記事でも書きましたが、車1台が通れる広さなのですれ違いは困難です。でもたしか一方通行ではありません。見通しはいいので、確認してから通ればまにあうのでしょう。

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つりきち村の横をまっすぐ国道の方に道が伸びています。雄岳と大岳がみえます。左が大岳山(478m)、右が雄岳(348m)のはずです。最近こんな感じでハイキングをすこしするのですがYahoo地図の方が山の高さが表示されるので便利です。androidアプリでもgoogle mapは日本の地図のキャッシュが制限されているので不便ですね。

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彼方に見える雲仙岳です。雲仙岳はさすがに標高が1484mもあるのでよく雲がかかっています。あのレベルになると登山って感じがします。大岳山だと登山って感じじゃなくて山登りって感じです。勝手なイメージですけど。雲仙岳は、空気の澄んでる日は麓の町並みまで見えて夜は夜景が綺麗で、見るたびに違った顔を見せてくれるのが好きです。夏は向こう岸で花火が上がっているのが小さく見えたりします。子供の頃にそれ見かけると「どこでなんていうお祭りしてるんだろう、行ってみたいなー」と思って見ていたものですが、今だとどこでやってるなんていう花火大会なのか、インターネットですぐに調べられるでしょうね。

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土手に沢山雑草が茂っています。実際には四角いコンクリートブロックが敷き詰めてあるのですが、ブロックの間から雑草が生えていてよくわかりません。

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所々にこういう水路と農業用の用水路を隔てる水門があります。

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補修したのか工事したのか半分アスファルトになっています。昔の記憶だと全部コンクリートでした。

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随分島山に近づきました。堤防に看板らしきものが見えます。島山の根本には、網田排水機場があります。水路の端は沼地みたいに広くなっています。あと島山沿いの海岸に降りる大きな道と島山沿いに塩谷地区に抜ける小道があります。あと排水機場の横にラブホテルが建っています。

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干拓地の西側はビニールハウスが多いようです。昔はメロンなどを作っていたのを見かけましたが、現在は何をつくっているのでしょう。

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堤防から海側へ降りることができる堤防の切れ目がありました。水門のところにあったようなコンクリートの階段を降りると海側に抜けることができます。何か工事をしているみたいです。

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こんな感じになっていました。コンクリートの階段を降りると、今も犬走りのようなコンクリートの細道がありました。今でもこちら側をステルス移動できますねw。石を敷き詰めてありますが昔はなかったように思います。

TS3Y0166島山方面、ずっと向こうに見えるのは天草の島々だと思われます。島山の海岸沿いをずっと歩けば、戸口町に抜けることができます。島山の海岸沿いを歩くと無人島に漂着した気分になります。そういう雰囲気の場所です。基本的に人気はない場所です。

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長浜町方面です。遠くに見えるのは金峰山です。消波ブロックはあそこで途切れているんですね。工事中の看板があったということはこの消波ブロックを現在進行形で設置中なのでしょうか?消波ブロックとその内側にも石が敷き詰められています。

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排水機場が見えてきました。この沼地みたいなところでもよく釣りをしました。あんまり釣れた記憶はありません。排水機場の隣はラブホテルの建物です。横を通りましたが営業しているようには見えませんでした。昔は違う名前でしたけど今はこ洒落た名前になってました。排水機場は洪水にならないように水を汲み出す設備のようです。沼地には結構魚影が見えたのでなにか釣れるかもしれません。

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今通ってきた道を振り返り撮影。

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網田排水機場。

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網田排水機場側面。壁側面のはしごを登ってみたくなります。

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干拓地を一望。

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堤防の端から海に抜ける場所があります。

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島山沿いに海岸があります。

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また、雲仙岳。

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こんな感じで周りにゴミ以外人工物が見えないので無人島に来たような気分になります。TS3Y0197
昔ほどではないですが多少ゴミがあります。子供の頃ここでゴミに紛れて段ボール箱に入れて捨てられた子猫を見たことがあります。数匹入っていて既に何匹かは餓死しており残りの子猫も弱々しく鳴いていました。しかし、子供の私にはどうすることもできず、そのまま置き去りにしてしまったのを、今もたまに思い出して悔みます。今回ここに来た時にも思い出しました。

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こんな風にゴミを不当放棄したり、海でゴミを燃やしたりするバカが未だにいることが、田舎の悪いところです。

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元の道に戻って塩谷地区方面に向かいます。ラブホテルの横を過ぎたところに嘉悦儀三郎を祭った社があります。

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ラブホが廃墟と化していました。営業してないよね?

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嘉悦儀三郎の祀られた龍王社の目の前にラブホの看板があります。ちょっと罰当たりなような気もしますw。嘉悦儀三郎もまさか村人の食料難を案じて生涯を掛けて作った干拓地にラブホが立つとは思わなかったでしょう。草葉の陰で泣いているかもしれません。毎日が低料金だそうですw。確かに田舎だからかどうかはわかりませんが安いですね。中の設備を見ないとなんとも言えませんが。

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後ろを振り返ると、嘉悦儀三郎を祀った社がある龍王社です。

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今回のハイキングの目的は堤防沿いの道と水門、そして嘉悦儀三郎の祀られているこの龍王社を訪れることでしたので、これでほぼ目的は達成です。

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鳥居の奥に嘉悦儀三郎を祀った祠があります。

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鳥居のすぐ横に嘉悦儀三郎翁頌徳碑(かえつぎさぶろうおうしょうとくひ)があります。

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嘉悦儀三郎の功績が書かれています。要約すると網田の庄屋だった嘉悦儀三郎が山がちで田畑の少ない農民の為に私財をなげうって干拓地事業を行い新地を作った。ということが書いてあります。この解説の看板、明治13年の修築時の西暦が1780年になってますね。正しくは1880年ですね。私も誤字や誤記は多い方ですが、こういう解説の看板で誤記はどうなの?宇土市教育委員会さんはちゃんと確認してくださいw。農民のためと話が美化されていますが、実際のところはどうなんでしょう?この時代だと農地は全て庄屋のもので農民は小作人ばかりなような気もするのですが、そうでもなかったんでしょうか?小作人だとしても田畑は多いほうが農民は助かったというはなしなんでしょうか?。

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嘉悦儀三郎翁頌徳碑の横に解説の看板は立っています。

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嘉悦儀三郎翁頌徳碑アップ。

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嘉悦儀三郎が祀られているのか龍神様が祀られているのかいまいち不明ですが、島山の根本の岩を削って作ったと思われる祠に祀られています。

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足元はこのようになっています。

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切り立った岩と岩の間に小さなほこらがあります。山から水が滲みでてきています。TS3Y0224
もうちょっとアップです。ここまで寄ると頭の上は岩です。お参りしました。人気もなく写真で見るより薄暗くて寂しく神聖な場所なので、一人だと少し怖いです。

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祠の方から鳥居の方を撮影。

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祠から左を見るとラブホ。

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龍神さんお供え用の榊だから勝手に撮ったら罰が当たるよと書いてあります。はやり、龍神様を祀った社の様です。

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龍神様と嘉悦儀三郎をお参りしたあとは、細い道を塩谷地区方面に向かいました。

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